弁護士コラム

【コラム】換価分割とは?
~誰も住まなくなる実家を相続する場合に有効~

2021.07.01
【コラム】換価分割とは?~誰も住まなくなる実家を相続する場合に有効~

こんにちは。奈良のJR王寺駅からすぐの桐山法律事務所の弁護士・桐山修一です。

このコラムでは、見落としがちな法律や制度についての記事をアップしていきます。

頭の隅でご記憶いただき、いつか問題に直面したときに「そういえばこんな話をきいたことがあったな」と思い出してもらえれば嬉しいです。

本日は、建物や土地などを相続するときの「換価分割」という方法についてお話しします。特に、遠方の田舎の実家などを相続人で相続するときなどに有効です。

不動産を遺産分割するときの4つの方法

まずは不動産を遺産分割するときの4つの方法を簡単にご紹介します。

「現物分割」は、不動産をそのまま引き継ぎます。ある相続人が1人で相続したり、土地を分筆してそれぞれの相続人が相続します。

「代償分割」は、不動産を1人の相続人が相続し、その相続人から、他の相続人に対して代償金が支払われます。

「換価分割」は、不動産を売却し、そのお金を相続人で分ける方法です。(今回ご紹介する方法です)

そして最後が「共有」です。複数の相続人がその不動産を共有した状態になります。権利関係が複雑・曖昧になったり、トラブルの種になることがあるため、一般的にあまり選択されません。

換価分割をおすすめするケース

4つの方法のうちの「換価分割」をおすすめするのは、主に以下のようなケースです。

・相続人の誰も不動産が欲しくないケース:住む人がいなくなった遠方の実家など、単刀直入に言うと、“相続しても仕方がない”ような場合です。

・不動産を公平に相続したいケース:土地を分筆する現物分割では、必ずしも土地の価値が等しくなるとは限りません。

・複数人が不動産を丸ごとほしがっているケース:不動産を取得した相続人が他の相続人に代償金を支払う「代償分割」では、不動産を取得できるのは1人だけです。換価分割であれば、不動産を残すことはできませんが、痛み分けによって公平性を保つことになります。

・維持管理、固定資産税の問題を避けたいケース:遠方の不動産であれば維持管理も大変です。また、固定資産税もかかります。換価分割であれば、こういった負担を解消できます。

・相続税の支払いに充てる資金がほしいケース:換価分割で得た資金を、相続税の支払いに充てたい場合なども、相続人全員が現金を受け取れる換価分割がおすすめです。

換価分割における注意点

換価分割の際には、不動産をできるだけ高く売るため、一般的には不動産業者に依頼します。不動産業者の手数料、査定のための測量費などが生じることは、頭に入れておかなければなりません。

また、なかなか売却できない場合でも、相続税は相続が開始されてから10カ月以内に納付しなければならない点も注意が必要です。さらに空き家を相続した場合には、3年後の年末までの売却に限って、譲渡所得税の控除が発生しますので、この期限内に売却することに越したことはありません。

どれくらいまでに、いくらで売却できそうか、控除は受けられるのか、相続人がどれくらいの金額を受け取れそうか、そういったことを予め知っておくことが、最終的に満足のいく換価分割をするために重要になります。

遺産分割協議で同意を得るところからスタート

さて、ここまで換価分割のメリットや注意点などをお話ししてきましたが、換価分割を行うためには、まず遺産分割協議で相続人全員の同意を得なければなりません。“換価分割”という言葉を初めてきく方もおられるでしょうし、その内容を十分に理解し、同意してもらうのはなかなか大変なことです。そして、最終的に適正な価格で売却できるか、当然ながらここも大きなポイントです。

換価分割を選択するケースを含め、少しでも遺産分割にご不安がある場合には、奈良のJR王寺駅からすぐの桐山法律事務所へご相談ください。遺産分割協議、相続登記、不動産の査定・売却まで、ワンストップでサポートさせていただきます。

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