弁護士コラム

【コラム】交通事故による高次脳機能障害
~後遺障害の可能性を考慮した早めの対応がカギになります~

2020.11.05

こんにちは。奈良のJR王寺駅からすぐの「桐山法律事務所」の弁護士、桐山修一です。

このコラムでは、見落としがちな法律や制度についての記事をアップしていきます。

頭の隅でご記憶いただき、いつか問題に直面したときに「そういえばこんな話をきいたことがあったな」と思い出してもらえれば嬉しいです。

本日は、交通事故後の後遺障害の中でも認定が難しいとされる「高次脳機能障害」についてご説明いたします。

高次脳機能障害とは

“認知”にかかわる脳の働き、あるいは“感情”を含む精神状態にかかわる脳の働きの障害を、「高次脳機能障害」と呼びます。

高次脳機能障害は、一見しただけでは症状が軽いあるいはないと判断されることがあり、そのために適正な等級認定が受けられないケースが少なくありません。

本人も、家族も気づきにくい症状

高次脳機能障害では、新しい仕事が覚えられない、集中できない、空気を読んだ言動ができない、人格が変わるなどの症状が見られ、仕事や日常生活に大きな支障をきたします。身体的な変化が乏しいことから、本人や家族でさえ、「ちょっと変だけど、気のせいかな」と見過してしまうことが少なくありません。

高次脳機能障害の認定を受けるためのポイント

高次脳機能障害において、適正な等級認定を受けるためには、主に以下の点がポイントになります。

①MRIやCT、脳波検査などで医学的根拠を得る

②社会生活を送る上での障害、以前との変化を記録しておく

③事故直後に意識障害があった場合にはその証明をする

「③」については、事故直後の意識障害が後遺障害としての高次脳機能障害を発症するリスクを上昇させることから、ポイントの1つに数えられます。

弁護士に相談することで、適正な認定と、適正な賠償請求を

上記のポイントを押さえるためには、早めに弁護士に相談することが重要になるかと思います。必要な検査の実施を医師に主張したり、心身の変調を適切な形で記録したり、意識障害があったという証拠を収集したりといったことを、法的な根拠に基づいて進めていくことができます。

またその後、高次脳機能障害の認定を受け、具体的な賠償金額を主張する場合にも、裁判所基準(弁護士基準)の活用による増額が期待できます。

高次脳機能障害が起こらないに越したことはありません。しかしもしそれが現実のものとなってしまったときには、適正な等級認定と適正な賠償請求を経て決着し、被害者が“前を向ける”ことが大切だと私は考えます。

交通事故後、もしご自身やご家族の方が「おかしいな」と感じたときには、奈良のJR王寺駅からすぐの桐山法律事務所にご相談ください。事故直後の意識障害の有無も絡んでくる問題ですので、お早目にご相談いただければ、より確実なサポートが可能です。

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